NOTORA
Power of Scale

建築は人間が使う道具であり、建築内に物理的に存在する人間のスケールを長いこと探求した装置でもあると私は思う。本作品「power of scale」はその人間のために創り上げられた装置=建築を模型や図録で想像するのではなく、実寸で空間スケールを体験・体感することを目的に制作した。本作品内ではリアルスケールにこだわり歴史的建造物や普段立ち入ることができない建物、我々の身の回りに存在する大小様々な空間を映像とレーザーファイバーによって再構築している。
ここ数年の液晶に溢れた生活や、CG、VR等のテクノロジーの発展によって人間は疑似世界に慣れ、実空間で起きていること、身の回りの変化や美しさへの興味を失ってしまったように感じる。映画やゲーム、360度に広がるコンテンツは様々な新しい体感をもたらしたが、ひょっとすると人間が生物的に持っている大きさや方向の感覚を弱めてしまったかもしれない。建築というものは、景色や季節、光、気候等の外的要因と共に、その環境を受けた人の営みの内的要因によって創り上げられた唯一無二の造作物のはずだが、建築家も含め多くの人間はその感覚を忘れてしまったとも考えてしまう。だからこそこのインスタレーションではスケールの体験を通してもう一度人間らしいスケール感を考えるきっかけを与え、人のスケールを逸脱した大規模開発が乱立する東京でもう一度「我々人間のスケール感覚の力」を再確認してもらえたらと思う。

クレジット

Credit

パワーオブスケール

齋藤精一 + ライゾマティクス・アーキテクチャー
2018年

所在地:
東京都港区
竣工年:
2018年
主要用途:
インスタレーション

制作:ライゾマティクス・アーキテクチャー(浅井 裕太、齋藤 精一、佐藤 大地、細野 隆仁、毛利 恭平、望月 俊孝、元木 龍也、柳澤 知明、渡辺 綾子)× 乃村工藝社(山田 健太郎/日野 潤平/山田 竜太/川原 正毅)
Film Producer:山下公彦、有友賢治|Director:後藤雅人|Cinematographer:らくだ|Lighting:穂苅慶人|Motion graphics:EDP graphic works|Motion graphic director:熊本直樹|motion graphic designer:加藤 貴大(EDP graphic works)|Perspective Drawing:山崎洋志(ROOM.C)、玉田理未(ROOM.C)、芹澤一人(ROOM.C)、長岡航大(ROOM.C)|Offline edit:甲斐隼人(STUD)、大村拓也(STUD)、斎藤 峻|Online edit:萩原千尋(Khaki)|出演:奥井奈々(B TOKYO)、TAKUMI(B TOKYO)
Production manager:河村和也、矢野善裕、龍紀美子、石井篤史|Sound Produce:イーライ・ウォークス|Sound Engineer:中村督 (Potato Studio) |Sound Direction:小澤祐一郎 (GROUNDRIDDIM)|
Special Thanks:鎌田明日香、小野田裕士

制作協力:住友電気工業、コーニングインターナショナル、TYO 、EDP graphic works、GROUNDRIDDIM

NOTORAというチーム

The team NOTORA

2018年4月25日より9月17日まで開催された六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」に於いて乃村工藝社とライゾマティクス・アーキテクチャーはお互いの強みである表現・コンテクストメイキング・施工・空間デザインでコラボレーションをし体験型インスタレーション「Power of Scale」を創り上げました。この特設のチーム名を「ノトラ」とし、今後も引続き様々なクリエーションにおいてコラボレーションをしていきます。

齋藤精一&Rhizomatiks Architecture

齋藤精一 + Rhizomatiks Architecture

株式会社ライゾマティクス代表取締役、東京理科大学理工学部建築学科非常勤講師。2013年D&AD Digital Design部門審査員、2014年カンヌ国際広告賞Branded Content and Entertainment部門審査員。2015年ミラノエキスポ日本館シアターコンテンツディレクター、六本木アートナイト2015にてメディアアートディレクター。

Rhizomatiks Architecture: 空間の在り方を創り変える部門。 デジタル・テクノロジーを活かしたクリエイティブで得られる体験を、空間・都市といった世界まで拡張し、建てて終わりの建築ではない、変化と進化を続ける建築を生み出す。 調査・設計・コンテンツ開発・イベント運営までシームレスに行うことでハード・ソフトの垣根を越え、場の体験を横断的につなぎ、その“場”で起こる、全ての事象を創造していく。

川原正毅

川原正毅

株式会社 乃村工藝社 第1事業本部 マーケティングコミュニケーション事業部
クリエイティブディレクター
主な実績

2003
GUNDAM Generating futures
2005
愛・地球博 サツキとメイの家
2007
富士急ハイランド 「EVANGELION WORLD」
2009
Green Tokyo ガンダムプロジェクト 実物大ガンダム立像
(ディスプレイ産業大賞 / 経済産業大賞)
2011
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
2015
連載完結記念 岸本斉史 NARUTO -ナルト展-
2017
Tokyo GUNDAM PROJECT「THE LIFE-SIZE UNICORN GUNDAM STATUE」

株式会社乃村工藝社において、コンテンツを活用した集客空間創造を主に手掛ける。造形 / 映像 / 音響など様々な演出手法を複合的に組み合わせ、強い集客力を持ち、人々に「歓びと感動」をもたらす「場づくり」にチャレンジしている。

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